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【天皇陛下ご譲位】
皇室制度を考える 櫻井よしこ氏「配慮と国家のあり方は別」 譲位ではなく摂政を置かれるのが最善



天皇陛下お言葉を最初に聞いたとき、陛下お気持ちに応えることができるような対処をしなければならないと、素朴に一人の国民として考えました。その方法は、一代に限って譲位を認める特別措置法と、最小限の皇室典範改正にとどめる形によって可能だと思っていました。




 同時に、そのときはどうなるのかという思いも心の中にありました。有識者会議私見を述べる機会をいただき、陛下の御心に沿い、国の形も守り得る最善の道を考えたとき、「情」と「理」のバランスに大層悩みました。お言葉を人としての思いを軸に受け止める場合と、国のあり方を基に判断する場合とでは、結論は異なりかねません。私たちの課題は、英知を絞って、情と理が近づき、融和する解決法にたどりつくことです。

 被災地も病む人々の施設も分け隔てなくお見舞いされ、内外の戦跡鎮魂祈りを捧(ささ)げてくださる両陛下への深い感謝は全国民が共有している思いです。

 ご高齢の両陛下への感謝と配慮は当然です。一方で皇室国家の安定を念頭に置いた国家のあり方の問題は別だと思います。

 このように考え、誠に申し上げにくいことですが、私は譲位ではなく、摂政を置かれることが最善の方法だという結論に至りました。


 国民感情は、陛下の思いを大切に受け止め、ご日常の過度な負担を何とかしてさしあげたいというものでしょう。それは終身天皇のまま、現行法の中でご公務の負担軽減を実現することは可能です。

 陛下のご日常を、祭(さい)祀(し)、国事行為、公的行為の順番で優先順位を組み替え、陛下が大切になさっている祭祀のための時間を確保することは可能です。その上で、国事行為や公的行為は皇太子さま、秋篠宮さまが臨時代行などの制度を活用して分担するなど、工夫ができます。

 祭祀はいま、天皇の私的行為とされていますが、これこそが皇室で最も重要な公務です。長い日本の歴史の中で皇室の役割は、国家の安定と国民の幸福のために祈る形で定着し、日本文明を育んできたからです。

 すでに触れましたが、陛下が国民とのふれ合いを大切にしてくださることは本当にありがたいことです。しかし、ご高齢でそれが大変となれば、摂政を置かれて補完されるのが一番だと思います。やはり、天皇は存在するだけで非常にありがたいのです。

 ご高齢に伴う天皇自身の変化も考慮に入れて皇位継承の安定性を図るため、近い将来、皇室典範の改正に本腰を入れて取り組まなければならないと思います。

過去2回、皇室制度に関わる有識者会議がありました。小泉純一郎政権の時は、女系天皇の道を切り開くかなり明確な意図があり、旧民主党政権時代も中立だといいながら、出された結論をみると女系天皇論で固まっていました。今回は、座長代理の御厨(みくりや)貴さんが産経新聞のインタビューで有識者会議は極めてオープンマインドだ、とおっしゃっていますのでそう信じています。

 大事なのは、皇室の本質を変えることなく、国の形を守っていくことにあります。皇室の未来、日本の未来を考えて、最善に近い提言を出すよう努力していただきたいと思います。(広池慶一)



 安倍晋三首相の私的諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」によるヒアリングの対象者に、天皇陛下のご譲位への対応や皇室制度について見解を聞いた。(この企画は随時掲載します)

 

 ■さくらい・よしこ ジャーナリスト。米ハワイ大歴史学部卒。平成19年にシンクタンク国家基本問題研究所」を設立し、国防、外交、憲法、教育、経済など幅広い分野で提言を行っている。著書に「凛たる国家へ 日本よ、決意せよ」「日本の未来」など。
記事 ソース  産経新聞
2016/11/19   より
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ご退位を望む天皇陛下のお気持ちを大切に思うのなら、桜井よし子氏などの皇室典範固守派の識者ご一同は、明治軍国政府
の統合の柱に据えた、終身天皇在位制にこだわらず、退位・譲位が可能な皇室典範の改正に舵を切るべきだ

天皇陛下は日本の象徴です 世界からみたら天皇や皇室のあり方=日本 ですよ よし子さん
中森明菜さん(斎藤浩一撮影)